暗黙知

暗黙知(Tacit knowledge)とは、言葉に表現されずに個人の経験や直感に基づいて存在する知識のことを指します。暗黙知は主に個人の内部に存在し、明示的に言語化することが難しい場合があります。この概念は、経済学者であるミハイル・ポリャニーが提唱し、経営学や組織学などの分野で広く研究されています。

暗黙知は、以下のような特徴を持っています:

1. 経験や実践に基づく知識: 暗黙知は、個人が実際に経験したり、あるいは実践的に行ってきたことに基づいて形成されます。例えば、自転車に乗る方法や楽器の演奏技術など、言葉で説明しづらい身体的なスキルや技能が暗黙知の一例です。

2. 非意識的な知識: 暗黙知は個人の意識の奥に存在し、明示的な意識化が難しい場合があります。個人は無意識のうちにその知識を活用し、行動や判断を行います。

3. 共有が困難: 暗黙知は個人の内部にあるため、他人と共有することが難しい側面があります。明示的な言葉や記述によって完全に伝えることができないため、伝達や共有の障壁が存在します。

暗黙知は、組織やチームの中で重要な役割を果たすことがあります。経験豊富な従業員や専門家は、暗黙知を持っており、その知識を活用して問題解決や意思決定を行うことができます。組織は暗黙知の共有を促進するために、経験の共有や相互の学習の機会を提供することが重要です。また、暗黙知を明示的な知識に転換するための手法やコミュニケーションの方法も研究されています。