埋没費用効果

埋没費用効果(いっぽつひりょうこうか)とは、経済学や意思決定理論において使用される概念です。

埋没費用(Sunk Cost)は、すでに支払った費用や資源であり、現在の意思決定には影響を与えない費用やリソースのことを指します。一方、埋没費用効果(Sunk Cost Effect)は、過去に埋没した費用やリソースに対する心理的な傾向やバイアスを指します。

埋没費用効果は、人々が過去の投資や努力に基づいて行動を選択し、その投資を最大限に生かそうとする傾向を示します。具体的には、過去に費やした時間、労力、お金などの投資を無駄にしないために、その投資を継続することや、現在の意思決定に影響を与えることがあります。

埋没費用効果は、合理的な意思決定から逸脱する可能性があります。たとえば、あるプロジェクトや事業が失敗に向かっているにもかかわらず、過去に多額の費用を投じたためにそれに固執し続けることがあります。この場合、合理的にはプロジェクトを中止する方が望ましい場合でも、過去の投資を無駄にしないためにプロジェクトを続けることが選択されることがあります。

埋没費用効果は、経済学や意思決定理論における注意すべきバイアスの一つです。合理的な意思決定をするためには、過去の投資や費用に固執するのではなく、将来の見込みや現在の状況を考慮し、最適な選択を行う必要があります。