スリーセット理論

スリーセット理論(Three-Set Theory)は、心理学者のポール・エクマン(Paul Ekman)によって提唱された感情の理論です。この理論によれば、人間の感情は基本的に3つの要素、つまり普遍的な感情の組み合わせとして表現されるとされています。

スリーセット理論では、次の3つの感情要素が存在するとされています。

1. 基本感情(Primary Emotions): 基本感情は、喜び、怒り、悲しみ、恐れ、驚き、嫌悪のような普遍的かつ直接的に認識可能な感情を指します。これらの感情は、文化や社会的背景に関係なく、人間の生得的な反応として普遍的に存在すると考えられています。

2. 顔の表情(Facial Expressions): 顔の表情は、感情を示すための特定の顔の筋肉の動きやパターンを指します。例えば、喜びの表情には笑顔があり、怒りの表情には眉間のしわや引き締まった口などがあります。顔の表情は、感情の表現や他者とのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。

3. 体の感じ方(Bodily Sensations): 体の感じ方は、感情が身体的な反応として現れることを指します。例えば、喜びや興奮には心拍数の上昇や体の活性化が伴い、悲しみや不安には緊張や身体の重さを感じることがあります。感情は、身体全体で感じられる変化や感覚としても経験されるとされています。

スリーセット理論は、感情の多様性を把握するためのモデルとして使用され、感情の理解や感情表現の研究に貢献しています。